口唇メラノーシス(唇のシミ)
口唇メラノーシス(唇のシミ)とは
唇に茶色から黒褐色の小さな斑点ができることがあります。これを口唇メラノーシス(口唇黒皮症)と呼びます。
口唇メラノーシスは良性の色素沈着であることが多いですが、唇はほくろ、静脈湖、血管病変、ポイツ・ジェガース症候群、まれに悪性黒色腫などとの鑑別が必要になる部位です。
口唇メラノーシスの特徴
口唇メラノーシスは、下口唇または上口唇にできる茶色から黒褐色の平らなシミです。1個だけのこともあれば、複数みられることもあります。
紫外線、乾燥、摩擦、慢性的な口唇炎、アトピー性皮膚炎、喫煙などが関係することがありますが、はっきりした原因が分からないこともあります。
診断
当院では、まずダーモスコピーで色素の分布や血管成分の有無を確認します。
口唇メラノーシスに見えても、実際にはほくろ、静脈湖、血管病変、外傷後の色素沈着など別の病変であることがあります。診断によって適した治療が異なりますので、レーザー照射の前に診察を行います。
短期間で急に大きくなった、色が濃くなった、形が不整、出血する、しこりがある、手や足にも似たようなシミができている、といった場合は、美容目的のレーザー治療ではなく、保険診療での診療に切り替えることがあります。
治療方法
点状にあるシミの場合は、唇は外用薬での改善が難しいことが多く、気になる場合はレーザー治療を行います。
当院では、Discovery PICO Plusを用いて、Qスイッチルビーレーザー、QスイッチYAGレーザー、ピコYAGレーザーから選択できますが、典型的な口唇メラノーシスではメラニン選択性の高いQスイッチルビーレーザーを第一選択としています。
口唇の色素斑はレーザーへの反応がよいことが多く、1回の照射でかなり薄くなることがあります。ただし、色の深さや範囲、体質によっては複数回の照射が必要になることがあります。
なお、広範囲にみられる唇のシミ(びまん性口唇色素沈着)の場合は、乾燥や炎症、摩擦などの影響を考慮し、まず保湿や外用治療から開始することがあります。もしレーザー治療を行う場合は、ルビーレーザーのスポット照射よりもダウンタイムを抑えやすいルビーフラクショナルをご提案することがあります。
Discovery PICO Plus (ディスカバリーピコプラス)についてはこちら治療後の経過
レーザーのスポット照射直後は、照射部位が白っぽく反応したり、少し腫れたりすることがあります。その後、数日でかさぶたのようになり、1〜2週間ほどで自然にはがれていきます。
無理にこすると色素沈着や治りの遅れにつながるため、かさぶたは自然に取れるまで触らないようにしてください。
治療後しばらくは、唇の乾燥や摩擦を避け、保湿をしっかり行ってください。紫外線の影響を受ける部位ですので、外出時はUVカット効果のあるリップクリームなども有用です。
副作用・リスク
レーザー治療では、赤み、腫れ、痛み、かさぶた、内出血、炎症後色素沈着、色素脱失、水疱、びらん、感染、瘢痕などが起こる可能性があります。
口唇は比較的治りやすい部位ですが、強くこする、かさぶたを剥がす、乾燥した状態が続く、口唇炎を繰り返す、といった場合は治療後の色素沈着が長引くことがあります。
よくある質問
Q:口唇メラノーシスは保険で治療できますか?
A:美容目的でシミを薄くする治療は自費診療です。悪性が疑われる場合や、診断目的の検査が必要な場合は、保険診療での対応を検討します。
Q:何回で取れますか?
A:1回でかなり薄くなることもありますが、色素の深さや大きさによっては複数回必要です。再照射を行う場合は、治療後の色素沈着が落ち着いてから判断します。
Q:レーザー後はテープ保護が必要ですか?
A:唇は通常、顔のシミ治療のようなテープ保護は必要ありません。保湿を十分に行い、かさぶたは無理にはがさないようにしてください。
Q:唇のほくろも同じレーザーで取れますか?
A:平坦なほくろであれば効く可能性はありますが、再発することがあります。また、盛り上がりがあるもの、深い色素があるもの、形が不整なものは、診察の上で適した方法をご提案します。