
ダーモスコープ 皮膚観察用スコープ
ダーモスコープ、ダーモスコピーとは?

ダーモスコープとは、皮膚のシミ、ほくろ、できものなどを拡大して詳しく観察するための医療用ルーペ(拡大鏡)です。ダーモスコープを使って皮膚を見る検査をダーモスコピー検査と言います。
皮膚の表面だけでなく、皮膚の奥の構造や色調の違いまで見分けることができます。シミやあざの種類を見分けたり、良性のほくろとほくろの癌を区別したり、また、小さなぶつぶつの正体や血管拡張の具合を見たり、爪の根元に膠原病の兆候がないか確認したりなど、皮膚科ではありとあらゆる皮疹の診察に用いられています。
偏光と非偏光とは?
ダーモスコープには、偏光モードと非偏光モードの2つの観察方法があります。
- 偏光モードでは、皮膚表面の反射光を取り除くことで、皮膚の深部構造(血管、色素、真皮)をはっきりと観察できます。接触せずに見ることもでき、よりスピーディーな診察が可能です。
- 非偏光モードでは、皮膚表面の細かな変化(角質、表面の形)を観察できます。必要に応じて皮膚にジェルを塗って接触させて観察することもあります。
この2つを使い分けることで、より多角的な視点から皮膚病変を評価し、正確な診断に繋げることができます。
当院で採用しているダーモスコープ
非接触型ダーモスコープ DZ-S50(CASIO)

当院では主に、カシオ製の非接触型ダーモスコープを使用しています。肌に触れずに観察できるため、衛生的で患者さんの負担も少なく、スムーズな診察が可能です。
必要に応じて専用のコンバージョンレンズを使用し、より拡大して詳細な観察を行うこともあります。
接触型ダーモスコープ機能付きカメラ DZ-D100(CASIO)

こちらは皮膚に軽く触れて観察する接触型ダーモスコープとして活用している機器です。肌に密着させることで、皮膚内部の構造をより鮮明にとらえることができ、正確な診断に役立ちます。指の股、目の周り、耳の入り口など、狭い部位はダーモスコピーを近づけることができませんが、小径アダプターを用いれば観察できます。また、立体アダプターを用いて、盛り上がったできものをつぶさない状態でしっかり観察することもできます。