
美容内科 内服薬
内服薬(自費診療)
当院では、肌荒れ対策、美白、アンチエイジングのサポートとして内服を行いたい方のため、シナール、トランサミン、ハイボン、ピドキサール、タチオン、ハイチオールの6種類の内服薬を処方しております。
皮膚疾患がある方はその治療を行うのはもちろん、ふだんの洗顔、保湿、紫外線対策といったスキンケア、さらにハイドロキノンやトレチノインなどの外用、美容皮膚科での美容施術と合わせ、相乗効果を目指しましょう。
シナール配合錠/シナール配合顆粒(一般名:アスコルビン酸(ビタミンC)+パントテン酸カルシウム)
美白といえばビタミンCというくらいによく知られているお薬です。肝斑の治療や、レーザー照射後の炎症後色素沈着の予防にもよく使われます。のめばのむほどいい、というわけではないので、用法用量を守って内服しましょう。
作用機序
メラニン色素の形成を抑制し、またすでにできた酸化型の黒色メラニンを還元型の淡色メラニンにする。皮膚や血管を支えるコラーゲンの生成と保持に関与する。
用法・用量
1回1~3錠または1包(いずれも1g)を1日1~3回服用する。(例:1回1包、1日3回)
主な副作用
胃不快感、悪心・嘔吐、下痢など
*アスコルビン酸により、尿検査で、尿糖が検出されなくなることがあります。また、尿試験紙法による尿検査で潜血、ビリルビン、亜硝酸塩が検出されなくなることや、便潜血反応検査で潜血が検出されなくなることがあります。医療機関で検査を受ける際、健康診断や人間ドックを受ける場合には、必ず内服薬の内容を申告してください。
トランサミン(一般名:トラネキサム酸)
ビタミンCのシナールと一緒に処方されることが多いお薬ですが、肝斑に対してはトラネキサム酸の方が強いエビデンスがあります。(ビタミンCは、トラネキサム酸と一緒に投与されていることが多く、ビタミンC単独での評価はあまりされていないようです。)血が固まりやすくなる作用があるため、不整脈や高脂血症がある、脳梗塞や心筋梗塞の家族歴がある、といった方にはお勧めできません。そうでない方も、しっかり水分を取るなど、血栓ができないように注意して頂くのが望ましいでしょう。
作用機序
メラニン生成を促す炎症性サイトカインの産生を抑制する。(肝斑への効果については、血管に対する作用を介したものではないかという推測もある。)止血作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用も有する。
用法・用量
1日750〜1500mgを3~4回に分けて服用する。(例:1回250mg 1錠、1日3回)
主な副作用
血栓・塞栓症、痙攣(人工透析患者)、過敏症、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、胸やけ、眠気、掻痒感、発疹など
ハイボン(一般名:リボフラビン酪酸エステル、ビタミンB2)
皮膚、粘膜、爪、髪の健康を保つのに重要なビタミンです。次に挙げるピドキサールとともに、脂漏性皮膚炎やざ瘡といった、皮脂分泌の過剰によって起こる病気や、口角炎、口唇炎の予防にも役立ちます。コレステロールの上昇を抑制する作用もあります。
作用機序
細胞内のエネルギー産生に必要な炭水化物、タンパク質、脂質の代謝に関与する。皮膚や粘膜の修復・再生を促す。皮脂分泌をコントロールする。
用法・用量
1日5〜120mgを2~3回に分けて服用する。(例:1回20mg1錠、1日2回)
主な副作用
下痢、悪心・嘔吐、胃膨満、腹部膨満、胃不快感、食欲不振など
*リボフラビンにより、尿が黄色くなることがあります。医療機関で検査を受ける際、健康診断や人間ドックを受ける場合には、必ず内服薬の内容を申告してください。
ピドキサール(一般名:ピリドキサールリン酸エステル水和物、ビタミンB6)
ひとつ前のハイボンとともに、脂漏性皮膚炎やざ瘡といった、皮脂分泌の過剰によって起こる病気や、口角炎、口唇炎の予防にも役立ちます。神経系の働きにも関与します。
作用機序
ピリドキシンは補酵素としてアミノ酸代謝に関与し、神経機能の維持や皮膚の健康に寄与する。皮脂の過剰分泌抑制や皮膚炎症の軽減に役立つ。
用法・用量
1日10〜60mgを1~3回に分けて服用する。(例:1回30㎎1錠、1日2回)
主な副作用
横紋筋融解症、過敏症、悪心、食欲不振、腹部膨満感、下痢、嘔吐、肝機能障害など
タチオン(一般名:グルタチオン)
保険診療では、解毒作用があることから各種中毒に用いられることがあるお薬です。抗酸化作用も持ち、アンチエイジング効果を期待して使われることがあり、白玉点滴でよく知られる成分です。
作用機序
グルタチオンはトリペプチドであり、強力な細胞内抗酸化物質として細胞の酸化ストレスを軽減する。グルタチオンはドーパキノンを反応してフェオメラニンを生成する一方、還元作用でドーパキノンをドーパに戻すため、ユーメラニンが作られにくくなり、皮膚の色が明るくなる。
用法・用量
1回50〜100mgを1日3回服用する。(例:1回100㎎1錠、1日1回)
主な副作用
発疹、食欲不振、悪心・嘔吐、胃痛など
ハイチオール(一般名:L-システイン)
L-システインはグルタチオンの前駆体です。ハイチオールはタチオンとともに美白の内服薬として知られています。美白に関しては、単独使用での効果を期待するよりも、他の内服薬や、内服以外の治療のサポートとして位置付けるのがよいでしょう。
作用機序
L-システインは、ドーパキノンと結合してフェオメラニンを合成させるため、ユーメラニンの生成を減少させる。また、チロシナーゼ活性を抑制することにより、メラニン生成そのものを抑える。さらに、L-システインは還元作用を持ち、酸化型メラニン(黒色化したユーメラニン)を還元型へ変化させ、色を薄くする効果を持つ。
用法・用量
1日160〜240mg(例:1回80㎎1錠、1日3回)
主な副作用
悪心、下痢、口喝、軽度の腹痛など
*美容を目的とした上記の薬剤の投与は自費診療になります。ただし上記の薬剤であっても、保険適用のある疾患に対する投与の場合は保険診療となります。(診断に基づく医師の判断となります。)