炭酸ガスレーザー
炭酸ガスレーザー
e.f. Fractional CO2 Laser

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)による焼灼術は、ほくろやいぼ、汗管腫などの良性腫瘍の治療法のひとつです。炭酸ガスレーザーは、水に高い吸収を示す10.6μmの波長の光を発生させます。レーザー光が組織中の水分に反応し、熱エネルギーが発生することで、組織を切開、蒸散、凝固します。
当院では、JMEC社製のe.f. Fractional CO2 Laser(エフフラクショナルCO2レーザー)を採用しています。e.f. は、サージカルモードに加え、スキャナー&フラクショナルモードを搭載し、切開、切除、蒸散、フラクショナルリサーフェシングを1台で行える炭酸ガスレーザーです。
e.f. Fractional CO2 Laserの特長
出血が少ない
血管も速やかに凝固するので、出血が少ない治療が可能です。
周囲の皮膚へのダメージが少ない
短時間に強いパワーで照射することができ、周囲組織への熱影響を低減した治療が可能です。
小さな病変でも治療が可能
レーザーの照射範囲は、小径0.1mmから2㎝四方まで変えることができ、小さなできものや、目の近くでメスで切ることが難しい場合など、さまざまな病変に対して使用できます。
短時間での日帰り治療
手術時間が短く済みます。
炭酸ガスレーザーが適応となる疾患
- 色素性母斑/母斑細胞母斑<ほくろ>
- 軟性線維種<いぼ>
- 脂漏性角化症<いぼ>
- 汗管腫
- など
術後管理について
- 毎日洗浄後に軟膏塗布、ガーゼ保護を行い、傷がふさがるまで1~3週間ほど続けます。
- 術後は指示された期間に再診して頂く必要があります。また、それ以外にも異常を感じたときは診察を受けてください。
副作用・リスク
- 麻酔薬のアレルギーが起こる可能性があります。
- 創部が細菌感染を起こすことがあります。
- 術後の外用剤によるかぶれや内服薬による副作用(アレルギー含む)が起こることがあります。
- 傷あとはできものより小さい面積になることも大きい面積になることもあります。
色調は通常、最初は赤っぽく、数か月、数年かけて白くなっていくのが標準で、まったくわからなくなることが常ではありません。 - 傷あとに色素沈着または色素脱失が残る場合があります。
- 傷あとが凹んだまま残ったり、逆に肥厚性瘢痕やケロイド(→詳しくはこちら)が生じたりすることがあります。
- できものをぎりぎりで取った場合は、できものが一部残存している可能性、後日再発する可能性があります。
- 病理検査を行った場合、悪性と判明すると、追加の治療が必要となることがあります。
- 術後の経過により、あるいは再手術の際、診断が後日変わることがあります。
禁忌(治療を受けられない方)
- ペースメーカーや植込み型除細動器を使用している方
- 埋め込み医療機器を使っている方
- 妊娠中の方(安全性が確立していません)
- 抗凝固薬を服用中の方、血栓塞栓状態をお持ちの方
- その他、医師が不適切と判断した場合
注意事項
- 糖尿病など創傷治癒に影響を及ぼす疾患をお持ちの方は、治りが遅くなる可能性があります。