田町駅前皮膚科

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傷あと(肥厚性瘢痕、ケロイド)

傷あと 肥厚性瘢痕、ケロイド

肥厚性瘢痕・ケロイド

怪我をして傷ができ、穴が塞がったあとや、手術で縫った傷がくっついたあとにできた瘢痕は、しばらく赤みを帯びています。赤い瘢痕は通常、数か月から数年かけて時間の経過とともに白い瘢痕へと変化します。

しかし、傷の治りに何らかの異常があると、白くならず赤いまま、傷が太く盛り上がることがあります。元の傷の範囲が赤く盛り上がったものを肥厚性瘢痕といい、元の傷の範囲を超えて赤く盛り上がったものをケロイドといいます。

ケロイドになると痛かったりかゆかったりと不快なこともあります。ただ元の傷のサイズは診察時にわからないことも多いですし、あまりこれらを区別する意味はなさそうです。(ただし日本のガイドラインでは両者は区別されています。)

肥厚性瘢痕・ケロイド治療の治療

まず、異物など炎症を長引かせる原因があるようであればこれを取り除きます。

ステロイドの外用

ステロイドの塗り薬を1日1~2回外用します。またステロイドのテープ剤を1日1回貼り替えるやり方もあります。正常な皮膚に薬が付くとそこの皮膚が薄くなってしまうのではみ出して塗ったりテープがずれたりしないように注意が必要です。

ステロイドの局所注射

外用で効果が乏しい場合はステロイドを注射します。1か月に1回程度の頻度で行います。打ちすぎると皮膚が薄くなって赤い血管が余計目立ったり、皮膚が薄くなったり、へこんだりするリスクがあります。また、薬剤の添加剤に対してアレルギー反応を起こすことがあります。

内服薬

リザベンという抗アレルギー薬や柴苓湯という抗炎症作用をもった漢方薬を内服します。リザベンは好酸球性膀胱炎や肝機能障害、柴苓湯は低カリウム血症の副作用があります。

ボツリヌス毒素の局所注射(自費診療)

しわ取りなどに用いるボツリヌス毒素(ボトックス)を皮膚に打つと、ケロイドの赤みや盛り上がりが改善することがあります。機序としては、線維化を抑制する作用と、筋緊張低下による創部張力の軽減がいわれています。

効果としては、データ上、赤みや厚さの改善はステロイドの局所注射と同等で、痒みや痛みの改善はステロイドより少しいいようです。また、皮膚の萎縮や毛細血管拡張の副作用はステロイドの方が多くなっています。これらの研究はステロイドが月1回、ボトックスが6~8週に1回と頻度が違うため、やや不公平な比較となっていますが、いずれも月1回に頻度を揃えた報告でも結果は同様です。

また、ボトックスとステロイドを併用すると、単独よりも成績がよいという報告があります。同日に2剤を投与する研究が多いようですが、実際は瘢痕が硬いと注射薬が入っていかないので、当院では別日の投与を推奨しています。なお、ボトックスとステロイドの投与を併用する場合は、ステロイド投与も自費になります。

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