
高周波ラジオ波メス
高周波ラジオ波メス サージトロン Dual EMCについて

当院では、皮膚腫瘍などの治療の選択肢のひとつとして、エルマン社製の高周波治療器 「サージトロン Dual EMC」 を導入しています。サージトロンは4.0MHzの高周波ラジオ波を用いて、皮膚のできもの(ほくろ、いぼなど)の切除や蒸散を行う機器です。この機器は、ふつうの金属メスを使って切除する手術においても、止血目的に補助的に使用されることがあります。ここでは、できものの除去そのものにサージトロンを用いた場合(「電気焼灼術」)を念頭に説明します。
サージトロン Dual EMCの特長
- 周囲の皮膚への影響が少ない:高周波の特性により熱の広がりを抑え、周りの正常な皮膚への焦げのダメージを最小限にします。
- 出血が少ない処置:切除と同時に止血効果が得られるため、治療中の出血はほとんどありません。
- 短時間での日帰り治療:短時間での処置が可能です。
麻酔について
処置は局所麻酔の注射、あるいはテープ麻酔を行ってから実施します。
術後管理について
- 毎日洗浄後に軟膏塗布、ガーゼ保護を行い、傷がふさがるまで1~3週間ほど続けます。
- 術後は指示された期間に再診して頂く必要があります。また、それ以外にも異常を感じたときは診察を受けてください。
副作用・リスク
- 麻酔薬のアレルギーが起こる可能性があります。
- 創部が細菌感染を起こすことがあります。
- 術後の外用剤によるかぶれや内服薬による副作用(アレルギー含む)が起こることがあります。
- 傷あとはできものより小さい面積になることも大きい面積になることもあります。色調は通常、最初は赤っぽく、数か月、数年かけて白くなっていくのが標準で、まったくわからなくなることが常ではありません。
- 傷あとに色素沈着または色素脱失が残る場合があります。
- 傷あとが凹んだまま残ったり、逆に肥厚性瘢痕やケロイド(→詳しくはこちら)が生じたりすることがあります。
- できものをぎりぎりで取った場合は、できものが一部残存している可能性、後日再発する可能性があります。
- 病理検査を行った場合、悪性と判明すると、追加の治療が必要となることがあります。
- 術後の経過により、あるいは再手術の際、診断が後日変わることがあります。
禁忌(治療を受けられない方)
- ペースメーカーや植込み型除細動器を使用している方
- 妊娠中の方(安全性が確立していません)
- その他、医師が不適切と判断した場合
注意事項
- 糖尿病など創傷治癒に影響を及ぼす疾患をお持ちの方は、治りが遅くなる可能性があります。
- 抗凝固薬を服用中の方は、出血のリスクが高まるため必ず事前にご相談ください。